知識は味方!本を読んで一緒に語り合いましょう!

本好きな会社員が、読んだ漫画や本の感想をジャンル問わず発信していくブログです。隙間時間に読める分量を意識してます。毎週火曜、木曜、土曜の18時更新予定です。

平和は簡単に崩れ去る(「ウイグル人に何が起きているのか」を読んで)

こんにちは、もんです。

 

最近はあまり聞かなくなりましたが、ロシアがウクライナ侵攻を始める前は、

中国のウイグル人迫害の問題が取り上げられていたこと、記憶にありませんか?

 

でも、実際に何が起きているのか、私にはよくわかりませんでした。

そこで今回は、それをわかりやすく教えてくれた本を紹介します。

どんな本?

著者は産経新聞社の記者として8年程度中国にいた方のようです。

フリー記者となり、ウイグル人について取材・調査して書かれた2019年刊行の本です。

現在のウイグル人たちの扱いだけでなく、

歴史的背景、地理的観点、政治的観点も絡めて教えてくれます。

こんな あなた にオススメ

ウイグル人迫害問題について知りたい人

・国家間のパワーバランス、宗教などによる影響を知りたい人

この本を読んで思ったこと

当事者とは見ている世界が違う

第1章は読みやすいように、著者の経験やインタビューをもとに書かれています。

著者もウイグル人と間違えられてホテルに缶詰めにされたこともあったようですよ。

 

ジャーナリストとして写真をこっそり撮っていたら、

ウイグル人がテロの下見をしている、

と警官に間違えられてホテルに連れていかれ、4時間ほど拘束されたそうです。

 

日本のパスポートを見せたら謝罪され、解放されたそうですが…

ウイグル人であれば、あまりにも簡単に拘束されることに恐怖を感じました。

その後に書かれたウイグル人たちの体験談はリアリティ満載です。

 

余談ではありますが、拘束時の著者の行動として

私は成り行きを見届けたくて、最後まで日本人パスポートを警官に提示しなかった。

というところには記者魂を感じました(笑)

平和な日常はじわじわと壊される

著者は1999年と2019年に、新疆ウイグル自治区カシュガル市に訪れています。

1999年は警察は少なく、羊がいて、中国語が通じないような場所でした。

 

それが2019年には警察が多く、羊はおらず、中国語が当たり前に通じ、

加えてそこら中にセキュリティゲートがあるようになったそうです。

 

一般市民への弾圧が強くなってきたのは、

2014年に新疆ウイグル自治区内で起きた爆破テロ事件と言われているようです。

2017年にはウイグル人の身柄を拘束するための新たな条例すらできたそうです。

 

平和に暮らしていた頃から、弾圧されるようになるまで、たった20年以下です。

2014年から、と考えればたった3年です。

 

この平和が続くのか、常に考えておくことも重要そうですね。

大国に翻弄されるだけの状況

ウイグル人の弾圧が表に出てきたのは、米国元大統領のトランプ氏が

この問題を人権問題として、対中包囲網のために利用しようとしたからです。

 

加えて、新疆ウイグル自治区は国際社会のパワーバランス的にも重要な位置です。

この地は米国、ロシア、トルコ、中国の利権が絡む土地なんですね。

 

そのためか、米国大統領が変わり、ロシアがウクライナに侵攻すると、

この問題は解決しないまま、表に出てくることが減った気がします。

 

弱者のために行動してくれた、というよりも、利益があったから表に出てきたのでしょう。

そう考えると、日本が有事に巻き込まれたときに、国際社会は注目してくれるのか、

少し不安に感じました。

まとめ

今回は近代の人権問題ともいわれるウイグル人について書かれた本を紹介しました。

比較的平和な時代だと思いますが、気を抜けば簡単に崩れてしまうかもしれません。

 

そうならないように意識するとともに、

もしもそうなったときにどうするか、どうありたいか、

考えておくのも一つ重要かな、と思います。

 

世界中が平和って、難しいですね。

おまけ:こちらもオススメ

北朝鮮強制収容所を描いたアニメ

北朝鮮強制収容所も、人権問題としてたまに取り上げられますよね。

脱北者の証言等をもとに描かれた強制収容所のアニメがこちらです。

 

苦しい状況でどうありたいか、こうならないためにどうするか、

今あるこの現実をどう変えていくか、色々考えされられる映画でした。

ドイツ強制収容所の体験談を書いた本

アウシュビッツ収容所等に収容された精神科医が書いた体験談です。

極限の状況を経験したときに、人間の本性が出てくるのでしょう。

 

他人に優しくすることができる人もいれば、そうでない人もいます。

生き延びた人もいれば、そうでない人もいます。

 

どういう人が精神的に強いのか、どう生きたいか、考えさせられる本でした。

 

では、本日も読んでくださり、ありがとうございました!